ご家族の方へ
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「どう接すればいいのか分からない」
「介護に疲れて、自分の時間がない」
「制度が難しくて、何から手をつければいいか……」
認知症のご家族と暮らす日々には、戸惑いも不安もつきものです。
このページでは、認知症の方への関わり方の基本から、活用できる公的制度、経済的なサポート、そしてご家族ご自身のケアまで、日々の暮らしを支える情報をまとめました。
こんな悩みはありませんか?
ひとつでも当てはまるものがあれば、ご相談いただけます。
ご家族が抱え込みすぎないための情報を、このページでご案内します。
- ✓何度も同じ話を聞かれ、疲れがたまってきた
- ✓怒りっぽくなった本人にどう接すればいいか分からない
- ✓介護保険サービスがよく分からず、何を使えばよいか迷う
- ✓医療費・介護費が家計を圧迫しはじめている
- ✓お金や契約の管理が心配になってきた
- ✓徘徊や火の始末、日常の安全が気がかり
- ✓介護が中心の生活になり、自分の時間がなくなった
- ✓誰にも相談できず、心細さを感じている
認知症の方との関わり方の基本
対応を少し変えるだけで、ご本人の落ち着きや
ご家族の負担感が大きく変わることがあります
責めない・否定しない
同じ質問や失敗にうんざりしても、ご本人にとっては「初めての質問」「初めての失敗」です。
「なんで忘れるの」と責めると混乱と不安が強まり、うつ状態やBPSD(行動・心理症状)の悪化につながることがあります。
間違いや思い込みも、まずは受け止めて共感するところから始めましょう。
ゆっくり、短い言葉で伝える
早口や長い文章は理解しづらくなります。
目を合わせて、ゆっくり短い言葉で、ひとつずつ伝えることを意識してみてください。
「代わりに私が覚えておくから大丈夫」といった安心の一言を添えることで、不安から来る質問が減ることもあります。
環境を整える
生活動線や道具・照明を整えることで、混乱や事故を減らせます。
- 大きく見やすいカレンダー・時計を目立つ場所へ
- 大切な物は決まった場所に、ラベル付きで
- 火を使わないIH調理器・自動停止機能付きの家電
- 玄関の見守りセンサー・鍵の工夫
自尊心と役割を大切に
できることは奪わず、ご本人のペースで続けていただくことが大切です。
洗濯物をたたむ、食器を並べる、庭の手入れなど、ちょっとした役割が「自分は必要とされている」という実感につながり、認知機能の維持や気分の安定にもよい影響があります。
介護を支える公的制度・サービス
介護保険サービスは、40歳以上の方が支払う保険料と税金で運営される公的制度。
認知症の方の暮らしを支える、まずは頼りたい柱です。
要介護認定の流れ
01
市区町村の窓口へ申請
お住まいの市区町村の介護保険窓口、または地域包括支援センターで申請します。
ご家族や地域包括の職員が代行申請することも可能です。
02
認定調査と主治医意見書
認定調査員がご本人の状況を訪問して確認。あわせてかかりつけ医が意見書を作成します。
03
審査・判定・認定結果通知
要支援1〜2、要介護1〜5、または非該当の判定が出ます。
申請から通知までの目安は約30日です。
04
ケアプラン作成・サービス開始
ケアマネジャー(要介護)や地域包括支援センター(要支援)が、ご本人・ご家族の希望に合わせたケアプランを作成し、サービス利用が始まります。
認知症の方が使いやすい主な介護・医療サービス
通所介護(デイサービス)
日中、施設に通っていただき、食事・入浴・レクリエーション・機能訓練を受けられます。
ご本人の社会的な交流や、ご家族の休息(レスパイト)にもつながります。
訪問介護(ホームヘルプ)
ヘルパーがご自宅を訪問し、食事・入浴・排泄など身体介護や、掃除・調理などの生活援助を行います。
訪問診療(医療保険)
通院が難しい方のご自宅や施設に医師が定期的に訪問し、診察・治療・お薬の処方を行います。
認知症の進行で通院が困難になった方も、住み慣れた場所で医療を受け続けることができます。
短期入所生活介護(ショートステイ)
数日〜1週間程度、施設に入所してお世話を受けられます。
ご家族の急な用事や旅行、体調不良のときの心強い味方です。
認知症対応型通所介護
少人数制で、認知症の方に特化したデイサービス。
専門スタッフによる、より丁寧なケアが受けられます。
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
認知症の方が5〜9人の少人数で共同生活を送る施設。家庭的な雰囲気の中で、専門スタッフの支援を受けながら暮らせます。
※「当法人グループ」表記のあるサービスは、当センターと同じ医療法人社団NALUのグループが運営しています(別タブで公式サイトが開きます)
経済的負担を軽減する制度
医療費・介護費の負担を軽くする制度は複数あります。
使えるものを組み合わせて活用しましょう。
高額療養費制度
1か月の医療費の自己負担が一定額を超えた場合、超過分が払い戻される制度。所得や年齢によって上限額が異なります。
高額介護サービス費
1か月の介護保険サービスの自己負担が一定額を超えた場合、超過分が払い戻される制度。
医療費控除
1年間の医療費が10万円(または所得の5%)を超えた場合、確定申告で税金の一部が戻る制度。
おむつ代(医師の証明書が必要)や、介護保険サービスの一部も対象になります。
障害者控除(認定書)
要介護認定を受けている方は、市区町村から「障害者控除対象者認定書」の交付を受けることで、所得税・住民税の障害者控除を利用できる場合があります。
自立支援医療(精神通院医療)
認知症も対象になる場合があり、精神科等の通院医療費の自己負担が1割に軽減されます(所得により月額上限あり)。
万一に備える制度・工夫
判断力の低下や、外出時の行方不明などに備えて、
早めに準備しておきたい制度と工夫があります
成年後見制度
判断力が低下した方の財産管理・契約行為を、家庭裁判所が選任した後見人が代わりに行う制度です。
- 法定後見制度:既に判断力が低下している方が対象
- 任意後見制度:判断力があるうちに、将来に備えて後見人を指定しておく
日常生活自立支援事業
社会福祉協議会が実施する制度で、日常的な金銭管理・重要書類の保管・福祉サービスの利用手続きなどをサポートしてくれます。
成年後見制度よりも軽度のサポートで、費用も抑えられます。
見守り・徘徊対策
外出時の行方不明対策として、地域と連携した仕組みがあります。
- GPS付き見守り機器のレンタル(自治体助成あり)
- あんしんキーホルダー・見守りシール
- 「認知症SOSネットワーク」への事前登録(自治体運営)
- 近隣・見守り拠点(コンビニ等)との連携
ご家族自身のケアも大切に
介護は長い道のり。ご家族が倒れてしまわないよう、
「頼る」「休む」「話す」を意識してください
レスパイトケア(介護者の休息)を意識する
「休むと悪い」と抱え込まず、意識的に休息を確保することが、長く介護を続けるコツです。
デイサービスやショートステイの活用、地域の見守り資源、家族の会などをうまく組み合わせましょう。
認知症カフェ・家族の会
同じ立場のご家族と話せる場が、地域にあります
オレンジカフェ
当センターでは、認知症の方・ご家族・地域の皆さまが気軽に集える「オレンジカフェ」を不定期に開催しています。
専門スタッフに相談したり、同じ立場のご家族とお茶を飲みながらお話ししたり、ゆったり過ごせる場です。
次回の開催予定は「お知らせ」ページでご案内します。
気になる方はぜひご確認ください。お電話でも直接お問い合わせいただけます。
お住まいの地域の認知症カフェ・家族の会もご紹介します
海老名市
認知症の方・ご家族・地域の方が集うサロン(カフェタイプなど)を各地域で開催しています。
令和6年4月には、市内で初めて「チームオレンジ(ゆいま~るの会)」が認定されました。
お問い合わせ:
・海老名市社会福祉協議会(生活支援コーディネーター) TEL:046-232-1600
・海老名市 地域包括ケア推進課 TEL:046-235-4950
▸ 海老名市「認知症ケアパス」ページ ↗ ※海老名市公式サイト(別タブ)が開きます
座間市
市内に認知症カフェが6箇所あり、認知症の方・ご家族・関心のある方が気軽に集まり、おしゃべりや相談、情報交換ができる場となっています。
お問い合わせ:
・座間市 長寿支援課 TEL:046-252-7084
▸ 座間市「認知症カフェ」ページ ↗ ※座間市公式サイト(別タブ)が開きます
綾瀬市
各地域包括支援センター主催の認知症カフェ「らくらくカフェ」が開催されています。
また、認知症サポーター養成講座修了者による「チームオレンジ」が、認知症の方やご家族のサポート活動を行っています。
お問い合わせ:
・綾瀬市 地域包括ケア推進課(基幹型地域包括支援センター) TEL:0467-77-1116
▸ 綾瀬市「チームオレンジ」ページ ↗ ※綾瀬市公式サイト(別タブ)が開きます
※開催日程・場所は変更になる場合があります。最新情報は各市の担当窓口までお問い合わせください。
※各市の詳細な相談窓口一覧は、相談窓口ページもあわせてご覧ください。
ご相談・ご予約はお電話で
「どこに相談すれば……」と迷ったら、まずはお電話ください。
ご家族だけのご相談も、もちろん歓迎です。
アクセス・受診場所
当センターは、えびな脳神経クリニック内に併設されています
えびな脳神経クリニック
〒243-0438
神奈川県海老名市めぐみ町3-1
ViNA GARDENS PERCH 601-12
🚉 アクセス
小田急線・相鉄線・JR相模線「海老名駅」西口より徒歩1分
ViNA GARDENS PERCH 6階(エレベーターにてお越しください)
※駐車場ご利用の方には1時間分のサービス券を発行しております。
よくある質問
Q. 介護保険の要介護認定は、認知症だけでも申請できますか?
はい、身体に大きな問題がなくても、認知症による生活への支障があれば申請できます。
認定調査では日常生活の状況を丁寧に聞き取りますので、ご家族から見た困りごともメモしておくと役立ちます。
Q. 本人が「デイサービスなんて行かない」と拒否します。どうすれば?
「病院のリハビリに行ってみよう」「近所の集まりに顔を出そう」など、ご本人が受け入れやすい言い回しで誘う方法があります。
まずは体験利用から始める、ご本人の好みに合う施設を選ぶことも大切です。
ケアマネジャーに相談すると、ご本人の性格に合ったデイサービスを提案してくれます。
Q. 遠距離介護(親と離れて暮らしている)でも活用できる制度はありますか?
はい、遠距離介護では特に、地域の見守り・介護保険サービス・介護休業制度の活用が重要です。
お住まいの地域包括支援センターにご相談いただくと、ご本人の状況に合わせて、訪問介護・デイサービス・見守り機器などを組み合わせた支援体制を一緒に整えてくれます。
Q. 認知症の親の運転をやめさせたいのですが、どう説得すれば?
認知症と診断された方は、道路交通法上、免許の取消・停止対象となる場合があります。
まずは主治医や公安委員会にご相談いただくのが確実です。
また、75歳以上の方は運転免許更新時に認知機能検査があり、結果によっては医師の診断書が必要になります。
ご家族だけで無理に説得せず、医師・警察・地域包括を交えて進めるのがおすすめです。
Q. 介護休業制度は、認知症の家族の介護にも使えますか?
はい、対象家族1人につき通算93日、3回まで分割取得できます。
介護休業給付金(賃金の67%相当)も受け取れる場合があります。
「介護のために辞める」前に、まずはお勤め先の総務・人事にご相談ください。
Q. 認知症の家族が事故を起こしたら、家族が賠償責任を負うのでしょうか?
状況により異なりますが、家族の監督責任が問われるケースがあります。
近年は認知症の方を対象とした賠償責任保険を、自治体が公費で加入する事業(認知症事故救済制度など)も広がっています。
お住まいの市区町村の高齢福祉窓口にご確認ください。
Q. 介護に疲れて、自分がうつっぽくなってきました。相談先はありますか?
介護うつはとても多く、決して珍しいことではありません。
ご自身の心と体を守るためにも、以下のような窓口をお気軽にご利用ください。
・地域包括支援センター(介護全般の相談)
・認知症カフェ・家族の会(同じ立場の方と話せる場)
・当センター認知症専用ダイヤル(046-204-8817)
ご本人だけでなくご家族の心のケアも、私たちがお支えします。
Q. 施設入所は「かわいそう」ですか?
決してそんなことはありません。
認知症の方にとって、専門的なケアと安定した生活リズムのある環境は、症状の落ち着きにつながることが多いものです。
ご家族が疲れきってしまう前に、グループホーム・特別養護老人ホーム・介護老人保健施設なども選択肢に入れて検討することは、ご本人にもご家族にも「思いやり」のある判断です。
■ 参考文献・出典
- 日本神経学会 監修『認知症疾患診療ガイドライン2017』
- 厚生労働省「認知症施策推進大綱」
- 厚生労働省「介護保険制度の概要」
- 厚生労働省「認知症初期集中支援チーム 標準的な業務の流れ」
- 海老名市「認知症ケアパス」/高齢者の相談窓口(海老名市公式サイト)
- 座間市「認知症サポート」(座間市公式サイト)
- 綾瀬市「高齢者福祉・介護保険」(綾瀬市公式サイト)
※本ページは、当認知症疾患医療センター長である尾崎聡理事長(神奈川県認知症サポート医)やえびな脳神経クリニックの岩田智則院長(日本認知症学会専門医・指導医)の監修に基づき、医学的根拠のある情報を分かりやすくお伝えすることを目的としています。
個別の症状については、必ず医療機関で診察をお受けください。
※本ページ内の各市の支援情報は、上記の各市公式ウェブサイトを出典として当センターが取りまとめたものです。掲載内容は変更となる場合がありますので、最新情報は各市の窓口にご確認ください。
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