もの忘れが心配 ― 家族が変化に気づいたとき
ご案内本ページは、受診をご検討の方・ご家族への情報提供を目的とした、当センターからのご案内です。登場人物・経過は特定の患者さまのものではなく、個人差があるため記載内容が結果を保証するものではありません。
「年のせい」で済ませる前に、原因を確かめるという選択があります。
ご家族のお気づきから当センターへのご相談につながるケースを想定して、電話相談から初診、診断後1年までの一般的な流れをご案内します。以下は、海老名市にお住まいの70代女性を想定した標準的なケースイメージです。

想定ケース
70代・女性海老名市在住
息子夫婦と三人暮らしという想定のケースです。長年、家計と料理を担ってきた家の中心で、近所のスーパーへの買い物が毎日の日課。得意料理は煮物という設定です。
明るい性格ながら、人に心配をかけるのが苦手で、体のことは「年のせい」と笑って済ませがち。病院の話になると機嫌が悪くなる、というご家族の悩みも、よくあるご相談パターンです。
- 以前の職業(想定)
- 元・小学校教諭(定年退職後10年)
- 既往歴(想定)
- 高血圧(近医で降圧薬1剤を内服中)
- 家族構成(想定)
- 息子50代(会社員)・妻50代(パート)/孫2名(月1帰省)
- 住環境(想定)
- 海老名駅から徒歩15分の戸建て
- 気づき→受診までの期間
- ご家族が気づいてから約3ヶ月(目安)
受診から診断後までの流れ(標準的な目安)
気づき→初診予約
約2週間
初診の所要時間
約150分
介護認定までの日数
約30日
服薬開始〜の通院
月1回
安定後の通院ペース
希望に応じ
調整
認知機能検査
半年〜1年
に1回
受診を検討される方のよくある質問
認知症の初期サインを家族が気づいたら、まずどこに相談すべき?
まずは認知症疾患医療センターの認知症専用ダイヤル(当センターは046-204-8817、月〜金9:00-18:00)にお電話ください。ご家族だけの相談も可能です。
初診はどのくらい時間がかかる?
当センターの初診は約2時間30分(150分)が目安です。内訳は、問診・診察 約30分/頭部MRI 約20分/心理検査 約60分/結果説明・再問診 約40分。血液検査の結果は約1〜2週間後の再診時にご説明します。
診断からお薬の開始後、どのくらいの頻度で通院する?
お薬を開始した当初は、効果と副作用を細かく確認するため1ヶ月に1回の通院が基本です。経過が安定してきたら、ご本人・ご家族のご希望に合わせて処方日数を調整することもできます(2〜3ヶ月に1回のペースへ移行される方もいらっしゃいます)。
通院自体が外出や他者との関わりの機会になるため、1ヶ月に1回のペースを続けることを選ばれる方も多くいらっしゃいます。
認知機能検査(MMSE等)はどのくらいの頻度で受ける?
初診時に実施したあとは、半年〜1年に1回を目安に実施します。治療の経過を客観的に確認するためで、毎回の診察で行うものではありません。ご本人の負担も考慮し、必要なタイミングでご案内します。
認知症のお薬には、どんな副作用がある?
お薬の種類にもよりますが、怒りっぽくなる・気分が落ち込む・食欲低下・下痢・徐脈などが起こることがあります。月1回の通院で丁寧に確認し、必要があれば薬の種類や量を調整します。
介護保険の申請から認定までは何日?
申請から認定通知まで約30日が目安です。申請は市区町村窓口または地域包括支援センターで行い、主治医意見書は当センターで作成します。
診断後、ご家族の生活はどのように変化していく?
診断を機に、介護保険の申請・治療方針の決定・サービスの導入など、暮らしの体制を整えていく時間が始まります。多職種での支援により、ご家族のご負担軽減に寄与する体制づくりが期待されます(経過は個人差があります)。
受診のきっかけ(よくあるパターン)
最初に気づくのは、ご本人よりもご家族であることが少なくありません

ご家族が気づくことの多い変化
- ✓数日前に話したことを、もう一度初めてのように話す
- ✓財布や鍵の置き場所を何度も尋ね、「誰かが動かした」と言う
- ✓得意だった料理の味付けが変わる・同じ食材を何度も買ってくる
- ✓ご本人は「年のせい」と気にせず、病院の話を出すと機嫌が悪くなる
電話相談から受診までの一般的な流れ
ご家族が認知症専用ダイヤルに電話し、ご本人の様子をお伝えいただくと、スタッフから「健康診断の延長で、脳の検査を受けてみよう」など、ご本人が受け入れやすい誘い方の提案を行います。
多くの場合、電話相談から2週間程度で初診のご来院となります。
▶ 受診を勧める言い方に迷ったら:よくある質問「本人が受診を嫌がる場合は?」
当センターで行うこと(標準的な流れ)
初診の所要時間は約2時間30分(150分)。
お話を伺うことから始め、検査で原因を一つずつ確かめます
初診 150分の内訳
問診・診察 約30分 / 頭部MRI検査 約20分 / 心理検査 約60分 / 結果説明・再問診 約40分
※血液検査の結果のみ、約1〜2週間後の再診時にご説明します。
問診・診察 (約30分)
いつ頃から、どのような場面で困っているかをご本人・ご家族それぞれに具体的に伺います。電話で伺った内容も踏まえて進めます。
ご本人の前では話しにくいことがあれば、ご家族だけの時間も設けます。
頭部MRI検査 (約20分)
脳の萎縮の有無・部位、隠れた脳梗塞、腫瘍などの病変を確認します。認知症以外の原因(正常圧水頭症・慢性硬膜下血腫など)の除外にも重要です。
心理検査・血液検査 (心理検査 約60分)
記憶・注意・判断力を評価する神経心理検査(MMSE・HDS-R等)を行います。
あわせて血液検査で、甲状腺の病気やビタミンの不足など、認知機能の低下を起こす別の原因が隠れていないかを確かめます。
結果説明・再問診 (約40分)
当日分かる結果をもとに、医師から診断と、今後の見通し、選べる選択肢をご説明します。再度の問診で生活場面の疑問点を整理し、ご家族にも同席いただいて生活の中で気をつけたいことをお伝えします。
※血液検査の結果は、約1〜2週間後の再診時にご説明します。
ご家族がすること・知っておきたい流れ
電話相談から診断後まで、ご家族が知っておくと動きやすいことをまとめました
まずは認知症専用ダイヤルへ
ご本人の様子、受診の勧め方、予約まで電話でご相談いただけます。
ご本人が受診を強く拒む場合は、海老名市の認知症初期集中支援チームがご自宅を訪問する仕組みもあります。
初診は150分。ご家族の同伴を
問診・MRI・心理検査・結果説明まで初診当日に行い、所要時間は約2時間30分です。血液検査の結果は1〜2週間後の再診でご説明します。
ご本人の普段の様子を話せるご家族の同伴をお願いしています。
診断がついたら、介護保険の申請を検討
申請は、お住まいの地域包括支援センターが代行・同行できます(海老名市・座間市・綾瀬市それぞれに窓口があります)。申請に必要な主治医意見書は当センターで作成します。認定通知までの目安は約30日です。
かかりつけ医には、診断結果を共有
当センターからかかりつけ医に診療情報をお渡しし、普段の体調管理はかかりつけ医と連携して進めます。高血圧などの既往があれば、お薬の相互作用のチェックも含めて連携します。
ご家族の関わり方も、相談できます
基本は「否定しない」「焦らせない」「責めない」の3点とされます。介護のことを話せるオレンジカフェ(認知症カフェ)や家族の会もご案内します。
診断後の経過の目安 ― 4つのタイミング
診断後1年の間に、どのような段階を経ていくかの
一般的な目安をご案内します(経過は個人差があります)
診断・服薬開始・副作用の初期チェック
軽度のアルツハイマー型認知症の場合、認知機能に働きかけるお薬の開始を検討します。
お薬の効果と副作用を細かく確認するため、1ヶ月に1回の通院が基本となります。この時期は、怒りっぽくなる・気分が落ち込む・食欲が低下するなどの副作用が出ていないかを、ご本人・ご家族からの様子を伺いながら丁寧にチェックします。必要があれば、お薬の種類や量を調整します。
この時期の特徴:診断直後は戸惑いが伴う時期ですが、原因が明らかになることで、ご本人の症状への理解が進む段階です。
お薬が安定、介護保険サービスが開始する時期
月1回の通院を続け、副作用の心配が落ち着いてくる時期です。経過が安定した段階で、通院ペースはご本人・ご家族のご希望に合わせて調整していきます。「通院日は外出のよい機会になる」との理由から、月1回のペースを継続される方も多くいらっしゃいます。
並行して介護保険の申請が進み、認定が通知されると、地域包括支援センターから紹介されたケアマネジャーがケアプランを作成する段階に入ります。
この時期の特徴:服薬・介護保険サービスの導入準備が整う時期です。
デイサービスが生活のリズムに/認知機能検査で経過をフォロー
デイサービスの利用が週に数回のペースで定着していくことが多い時期です。
当センターでは、半年〜1年に1回を目安に認知機能検査(MMSE・HDS-R等)を実施し、治療の経過を確認します。検査結果に応じて、お薬の調整の要否を検討します。
この時期の特徴:デイサービスの利用が定着し、ご家族のレスパイト(休息)の時間が確保しやすくなる時期とされます。
暮らしの体制が整う時期
物忘れ自体は少しずつ進んでいく段階ですが、ご家族の対応の工夫(大きなカレンダーの設置、物の定位置化、「代わりに覚えておくから大丈夫」等の声かけ)により、同じ出来事への受け止め方や関わり方が落ち着いてくるご家庭もあります。
ご本人の得意だったことを継続する形(例:調理をご家族と一緒に行う等)で、生活の中の役割や楽しみを続けられる方もいらっしゃいます。認知症カフェや家族の会への参加が、ご家族の情報源・相談先となるケースも多く見られます。
この時期の特徴:対応の方向性や使えるサービスが定まることで、ご家族がこれからの生活の見通しを立てやすくなる時期です。
※経過・通院ペースには個人差があります。症状の進み方・治療への反応・使える制度の活用の仕方はお一人お一人異なります。
お薬開始当初は月1回の通院が基本ですが、経過が安定してきたらご希望に合わせて処方日数を調整することもできます。副作用(怒りっぽさ・気分の落ち込み・下痢・徐脈など)が強く出た場合は、通院時に薬の種類や量を柔軟に調整します。
当センターでは、ご本人・ご家族のペースに合わせて、継続的にお支えする体制を整えています。
判断に迷いやすいポイント
ご家族が迷いやすい場面と、医療・介護の現場で
どのような判断が取られることが多いかを整理しました
1もう少し様子を見るか、すぐ受診するか
気づいてから一定期間、同じ変化が繰り返されている場合は、受診の判断材料となります。「年のせい」で片づけず、原因を確かめることで、治療可能な別の病気(甲状腺機能低下症・ビタミン欠乏など)が隠れていないかを早めに確認することができます。
2かかりつけ医に相談するか、専門外来を直接訪ねるか
認知症の鑑別診断にはMRI・心理検査などの専門検査が必要となるため、認知症疾患医療センターを直接受診する流れが取られることもあります。受診後、診断結果はかかりつけ医にも共有し、普段の体調管理はかかりつけ医と連携する形が一般的です。
3介護保険の申請タイミング(診断直後 vs 必要になってから)
診断確定後に早めの申請を選ばれる方が多くあります。認定通知までに約30日かかり、「必要になってから」では間に合わないことがあるため、認定を取得しておき、必要に応じてサービスを開始できる状態を作っておく判断が一般的です。
4デイサービスを渋られた際、どう促すか
「デイサービス」ではなく「近所の集まりに顔を出してみよう」「体操教室に行ってみよう」という誘い方や、まず体験利用から始める方法が取られることがあります。本格的な利用が定着するまでに数ヶ月を要するケースも多く、焦らず進める姿勢が大切とされます。
5通院ペースの選び方・服薬の調整
服薬開始後は、効果と副作用を確認するため、まず月1回の通院が基本となります。認知症のお薬は「怒りっぽくなる」「気分が落ち込む」などの副作用が出る方もいるため、ご家族からの日々の様子の情報が、調整の判断に欠かせません。
経過が安定してからの通院ペースは、ご本人・ご家族のご希望に合わせて調整可能です。「通院自体が外出や他者との関わりになる」という理由で、月1回のペースを続けることを選ばれる方も多くいらっしゃいます。
認知機能検査(MMSE・HDS-R等)は半年〜1年に1回を目安に実施し、治療の経過を客観的に確認します。
医師からのひとこと
もの忘れの相談は、「まだ早いのでは」とためらう方が多いのですが、早い段階で原因を確かめておくと、ご本人とご家族が選べる選択肢は広がります。
「診断」はゴールではなく、ご本人とご家族が暮らしの体制を整えていくためのスタート地点です。多職種での継続的な支援により、ご本人の生活の継続性を保つことが期待されます。
気になることがあれば、まずかかりつけ医か、当センターにご相談ください。
あなたに合った、次の一歩
ご状況に応じて、まず読んでおくと動きやすいページをご案内します
ご相談・ご予約はお電話で
「うちも似ているかも」と感じたら、まずはお電話ください。
ご家族だけのご相談も、もちろん歓迎です。
ほかの受診パターンのご案内
受診のきっかけ別に、一般的な流れをご案内しています
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