“ARNI Hypertension Seminar in 唐津”に参加しました。

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神奈川県と佐賀県をWebで繋ぐ形式で開催されました。唐津市民病院きたはた 院長 大野毎子先生のオープニングリマークスの後に、済生会唐津病院 脳神経外科 部長 勝田俊郎先生に座長をして頂き、講演を行いました。小生が九州大学に勤務していた時代に、毎週外勤で佐賀県唐津市に行き、当直業務と午前外来業務をしていました。大野先生と勝田先生との打ち合わせでは、非常に懐かしい気持ちになりました。

今回は高血圧ガイドライン、脳卒中治療ガイドライン、エンレストの使用経験以外に、特に夜間高血圧と食塩感受性高血圧について講演をさせて頂きました。

夜間高血圧とは、夜間に血圧が上昇する現象を指します。通常、夜間は活動が減少するため血圧が下がるとされていますが、夜間高血圧の場合はそのパターンが見られません。

健康な人は夜になると血圧は約10-20%下降することが一般的です。しかし、夜間高血圧の患者様ではこの下降が見られないか、あるいは逆に上昇することがあります。

夜間高血圧は心血管疾患のリスクを高める可能性があるとされています。それは夜間の血圧上昇が脳、心臓、腎臓などの重要な臓器に対して過剰な負荷をかけることになり得るためです。

夜間高血圧の診断と治療は医師の専門的な評価が必要で、24時間血圧モニタリングなどの検査が行われることが一般的です。治療は生活習慣の改善、薬物療法、既存の疾患への対処など、個々の状況に応じて異なる場合があります。

食塩感受性高血圧とは、食塩の摂取量が血圧に影響を及ぼすタイプの高血圧を指します。具体的には食塩の摂取量が多いと血圧が上昇し、食塩の摂取量を減らすと血圧が下降する現象です。

食塩はナトリウムの主要な供給源であり、ナトリウムは体内で水分のバランスを調整する役割を果たします。ナトリウムの摂取量が多いと、体内で水分の保持が増え、血液の容量が増加する可能性があります。この結果、血圧が上昇することがあります。

食塩感受性高血圧の原因は完全には解明されていませんが、食塩感受性高血圧の治療は食塩の摂取制限を中心に行われます。低塩分の食事、加工食品の選択時にラベルを確認するなど、食塩摂取を減らす努力が求められることが多いです。また、体重の管理、適度な運動、ストレスの管理なども血圧コントロールに役立つことがあります。

医師や栄養士と相談して、個人に合った食事療法や生活習慣の改善を進めることが食塩感受性高血圧の管理において重要です。必要に応じて、薬物療法も併用されることがあります。

当院では管理栄養士による栄養指導も行っております。患者様の健康維持をサポートできるよう、幅広い治療計画をご提案できる体制を整えておりますので、お気軽にご相談ください。

今回の講演会は神奈川県と佐賀県をWebで行いましたが、数年前では考えられないことが当たり前にできるようになり、時代の変化は凄いと感じました。