めまいの原因と対処方法【脳神経内科医監修】
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この記事を書いた人
えびな脳神経クリニック
院長 岩田智則
日本脳卒中学会(評議員)
日本血管内治療学会(評議員)
日本脳循環代謝学会(評議員)
米国心臓協会国際フェロー(Fellow of AHA・脳卒中部門)
日本神経学会専門医/指導医
日本内科学会総合内科専門医/指導医
日本脳神経血管内治療学会専門医
厚生労働省認定外国人医師臨床修練指導医
日常生活の中で突然訪れるめまいの症状は、何かの病気の前兆かもしれないと不安に感じたことはありませんか? 頭がふらつく、ふわふわする、周りがグルグル回るような感覚…これらのめまいの症状は、日常生活に支障をきたすだけでなく、 その原因や対処法についても不安を抱かせますよね。そこで今回は、めまいの原因と対処方法について詳しく解説していきます。
目次
めまいで頭がふらつく(ふわふわする)原因
めまいの原因はさまざまですが、主なものとして以下のようなものが挙げられます。
耳鼻科疾患
内耳は、身体のバランス感覚を制御する重要な器官です。この内耳に何らかの異常が生じることで、めまいの症状が引き起こされることがあります。
例えば、前庭神経炎やメニエール病などの疾患が内耳の不調を引き起こすことがあります。
前庭神経炎は、前庭神経がウイルスや細菌に感染することで起こる炎症であり、めまいやふらつきを引き起こすことがあります。
一方、メニエール病は、内耳の内部における圧力の変化や液体のバランスの異常が原因で起こる疾患であり、めまいや聴覚障害、耳鳴りなどの症状が現れることがあります。
内耳の問題は、適切な治療や管理が必要な疾患であり、医師の診断と適切な治療法の選択が重要です。めまいが頻繁に起きる場合や症状が重い場合は、早めに医師の診察を受けることが推奨されます。
循環器疾患
脳への血流が阻害されることでめまいが生じることもあります。
血管の狭窄、血栓の形成、あるいは血管の破裂や脱水など、脳への適切な血流を妨げることがあります。この結果、脳への酸素や栄養の供給が不十分になり、めまいやふらつきの症状が現れることがあります。血流障害の代表的な疾患には、動脈硬化、低血圧、脱水などがあります。
血流障害は、身体全体に影響を及ぼす重篤な疾患であり、適切な治療や生活改善が必要です。めまいが頻繁に起きる場合や、他の症状と併発する場合は、早めに医師の診察を受けることが重要です。
脳神経疾患
脳自体に問題が生じた場合も、めまいの症状が現れることがあります。
脳の疾患の中には、めまいやふらつきが主な症状として現れるものもあります。例えば、脳梗塞は、脳内の血管が閉塞されることで脳細胞が死滅する疾患であり、めまいやふらつきの症状が起こることがあります。また、脳腫瘍やくも膜下出血、頭頸部外傷、頚椎症なども、めまいの原因として考えられます。
脳の病気は重篤な疾患であるため、早期の発見と適切な治療が必要です。めまいが頻繁に起きる場合や、他の症状と併発する場合は、速やかに医師の診断を受けることが重要です。
めまいで頭がふらつく(ふわふわする)ときの対処法
安静にする
めまいが突然訪れた場合、まず最初に取るべき対処法の一つが「安静にする」ことです。安静にすることで、身体のバランス感覚を取り戻し、めまいの症状を軽減することができます。安静にする際には、以下のポイントに注意すると効果的です。
1.横になる:
めまいが起きたら、できるだけ早く安全な場所に移動し、横になりましょう。横になることで身体のバランス感覚を取り戻しやすくなります。
2.目を閉じる:
目を閉じることで、外部の刺激を遮断し、身体をリラックスさせることができます。また、目を閉じることで視覚情報が減少し、めまいの症状が軽減されることがあります。
3.ゆっくりと深呼吸する:
ゆっくりと深呼吸をすることで、呼吸を整えることができます。深呼吸によってリラックスし、身体の緊張を緩和させることができます。
4.周囲の音を遮断する:
周囲の音を遮断することで、身体を静かな状態に保つことができます。静かな環境でリラックスすることで、めまいの症状が軽減されることがあります。
安静にすることは、めまいの症状を軽減するだけでなく、身体の安定を取り戻すためにも重要です。しかし、症状が重い場合や、めまいが頻繁に起きる場合は、早めに医師の診断を受けることが重要です。
水分補給をする
めまいが突然訪れた場合、適切な対処法を取ることで症状の緩和が期待できます。その中でも、水分補給は重要な対処法の一つです。めまいが起きると、体内の水分が失われる可能性があります。そのため、こまめな水分補給が重要です。
水分補給のポイントは以下の通りです。
1.こまめな摂取をする:
めまいが起きたら、できるだけ早く水分を摂取しましょう。こまめな水分補給によって、脱水症状を防ぐことができます。特に、めまいと共に吐き気や嘔吐が伴う場合は、水分補給がさらに重要です。
2.水だけでなく塩分も摂取する:
適切な水分補給には、単に水を飲むだけでなく、塩分も摂取することが重要です。めまいが起きると、体内の塩分濃度が低下することがあります。そのため、水に少量の塩を溶かして飲むか、スポーツドリンクなどの塩分補給が効果的です。
3.冷たい飲み物を避ける:
めまいの症状が起きたときは、冷たい飲み物を控えるようにしましょう。冷たい飲み物は、胃腸を刺激して吐き気を引き起こす可能性があります。温かいお茶やぬるめの水を選ぶことで、消化器系への負担を軽減することができます。
水分補給は、めまいの症状を緩和し、身体の安定を保つために重要な対処法の一つです。しかし、症状が重い場合や、めまいが頻繁に起きる場合は、早めに医師の診断を受けることが重要です。
ストレッチや運動をする
めまいが突然訪れた場合、適切な対処法を行うことが重要です。その一つが「ストレッチや運動」です。身体を動かすことで血液の循環が促進され、身体のバランス感覚を取り戻す助けとなります。
1.首のストレッチをする:
首の筋肉をゆっくりと伸ばすストレッチを行います。まず、まっすぐ立ちます。右手を左耳に優しく寄せ、左手で右側の頭を軽く引きます。この状態で15秒間キープし、反対側も同様に行います。これにより、首の筋肉が緩み、血液の循環が促進されます。
2.肩の回し運動をする:
肩のストレスを緩和するために、肩の回し運動を行います。まず、まっすぐ立ち、両手を肩の高さまで上げます。そして、時計回りに肩を回します。反対方向にも同様に行います。肩の回し運動により、肩のこりが解消され、血液の循環が促進されます。
3.軽いウォーキングをする:
めまいが起きた場合でも、軽いウォーキングを行うことで血液の循環を促進し、身体をリフレッシュさせることができます。ただし、安全な場所で行い、無理をせずに行いましょう。
これらのストレッチや運動を行うことで、身体全体のリラックスと血液の循環が促進され、めまいの症状を軽減することができます。ただし、症状が重い場合や、めまいが頻繁に起きる場合は、早めに医師の診断を受けることが重要です。
めまいの症状とは?男女別・年齢別の違い
男女や年齢によって、めまいの症状や原因に違いが見られます。男性と女性では、めまいの原因や症状に微妙な違いがあり、年齢が上がるにつれて症状の現れ方や原因にも変化が見られます。
1・男女別の違い:
男性と女性では、めまいの原因や症状に違いが見られることがあります。
例えば、男性では内耳の問題や血流障害によってめまいが起こることが比較的多いです。
一方、女性では、生理周期や更年期に関連しためまいが起こることがあります。
特に更年期に近づくと、ホルモンの変化によってめまいが増える傾向があります。
2.年齢別の違い:
年齢が上がるにつれて、めまいの症状が現れる頻度や原因にも変化が見られます。
例えば、高齢者では内耳の機能が低下しやすく、めまいの症状が増えることがあります。
また、高齢者には動脈硬化や低血圧などの血管関連の問題が多く見られ、これらがめまいの原因となることがあります。
男女や年齢によるめまいの違いを理解することで、適切な対処法や予防法を選択することができます。しかし、症状が重い場合や、他の症状と併発する場合は、早めに医師の診断を受けることが重要です。
めまいとふらつきがあれば、一度、脳神経疾患の専門医を受診しましょう
めまいやふらつきが頻繁に起きる場合や、他の症状と併発する場合は、早めに専門医である脳神経外科を受診することが必要です。脳の異常や疾患が原因である可能性があるため、適切な治療を受けることで重篤な状態を回避することができます。 めまいは日常生活に支障をきたすだけでなく、重篤な疾患のサインであることもあります。めまいが頻繁に起きる場合や他の症状と併発する場合は、医師の診断を受けることが大切です。自己診断せず、健康な毎日を送るために、。自身の体調に異変を感じた際には、決して軽視せずに専門医の診断を受けましょう。
引用:(症状編)めまい 日本神経学会
ー めまいに関するQ&A ー
院長からひと言
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