手足のしびれの原因や病気について

手や足がしびれる症状は、私たちの日常生活に重大な影響を及ぼすことがあります。

運動麻痺や感覚異常などの症状が現れる場合は、早期の診断と適切な治療が不可欠です。

当院で提供している専門的な手足のしびれ治療についてご説明いたします。

しびれとは？

手足のしびれは、誰にでも起こる身近な症状ですが、原因によっては重大な病気のサインであることもあります。

ピリピリ・ジンジンする感覚、感覚が鈍い、細かい動きがしにくい ―

こうした症状が続く場合は早めの確認が必要です。

しびれは主に以下の部位のトラブルで起こります。

• 脳（脳梗塞・脳出血・脳腫瘍 など）
• 脊椎（頚椎・腰椎のヘルニア・狭窄 など）
• 末梢神経（手根管症候群・神経障害 など）
• 内科疾患（糖尿病・ビタミン不足 など）

ストレスや疲労でも一時的なしびれは出ますが、継続するしびれは原因の切り分けが重要です。

【引用】しびれの原因となる主な病気（日本神経学会）

https://www.neurology-jp.org/public/disease/shibire_detail.html

早期治療が重要！手足のしびれ症状を無視してはいけない理由

手足のしびれは、一時的なものから慢性化する場合まで、様々な状況で現れますが、「そのうち治る」と放置すると、以下のリスクがあります。

• 脳梗塞など 命に関わる病気を見逃す
• 神経の障害が進行し、後遺症につながる
• 痛み・動きづらさが悪化し、生活に支障が出る
• 慢性疾患の場合、合併症が生じる可能性がある

特に以下に当てはまる場合は、すぐに受診してください。

• 片側だけのしびれ（脳梗塞の前触れ＝一過性脳虚血発作の可能性）
• 時間とともにしびれが悪化している
• 力が入りにくい・ろれつが回らない・めまい・頭痛を伴う
• しびれが 数日〜数週間以上続く

国立循環器病研究センターも「一過性脳虚血発作は短時間で症状が消えても、早期に脳梗塞に移行するリスクが高い」と警告しています。

【引用】
一過性脳虚血発作は、早期に完成型脳梗塞を発症する可能性が高い（国立循環器病研究センター）

脳に原因のあるしびれ

脳梗塞・脳出血・脳腫瘍など、脳の障害で起こるしびれは以下の特徴があります。

• 片側の手足に強いしびれ
• 感覚麻痺・視野障害・言語障害を伴うことがある
• 視床の障害による「視床痛（強い痛み）」が出ることも

脳の障害によるしびれは、感覚の異常や運動麻痺を伴うことがあり、回復後も異常感覚（視床障害）が残ることがあります。

視床が原因の場合には、視床痛と呼ばれる強い痛みを生じることもあります。

また、一過性脳虚血発作（TIA）では、短時間で症状が治まることがありますが、その後に脳梗塞へ進行するリスクが高いため、症状が消えても早急な受診が必要です。

右半身や左半身に違う感覚が生じたら、迅速な医療相談が必要です。

脊椎（首・腰）に原因がある場合

頚椎や腰椎の病気により、脊髄や末梢神経が障害を受け、しびれが生じます。

主な疾患と特徴をわかりやすく整理すると以下の通りです。

椎間板ヘルニア

• 腰椎ヘルニア：腰痛に加えて、足のしびれ・痛みが出やすい
• 頚椎ヘルニア：首〜肩・腕・指にしびれが出る
  → 椎間板が飛び出し、神経根や脊髄を圧迫することで症状が起こります。

脊柱管狭窄症（特に高齢者に多い）

• 歩くと足がしびれてつらくなる
• 立ち止まると楽になる（「間欠性跛行」）
  → 加齢による変化で神経の通り道が狭くなり、慢性的なしびれにつながります。

変形性頚椎症

• 加齢により骨や椎間板が変形し、骨棘（こつきょく）が神経を圧迫
• 手のしびれ・巧緻運動（細かい作業）がしづらくなることも立ち止まると楽になる（「間欠性跛行」）
  → 加齢による変化で神経の通り道が狭くなり、慢性的なしびれにつながります。

後縦靭帯骨化症（こうじゅうじんたいこっかしょう）

• 頚椎の靭帯が骨のように硬くなる病気
• 進行すると脊髄を圧迫し、手足のしびれ・脱力が起こる
  → 早期発見が大切な疾患のひとつ

首や腰のトラブルによるしびれは、「神経がどこで圧迫されるか」「どの程度圧迫されるか」によって症状の出方が変わります。

放置していると、しびれが痛みに変わったり、歩行が難しくなる場合もあるため、
症状が続くときは早めの検査が安心につながります。

▶︎ 当院の脊椎外来について

末梢神経の病気

首から手・足へ伸びる末梢神経が圧迫されたり、炎症を起こしたりすることで、しびれや痛みが生じます。代表的な疾患をわかりやすく整理します。

手根管症候群

• 手首の「手根管」で正中神経が圧迫されて起こる
• 中年女性や、手作業・タイピングなど手をよく使う人に多い
• 親指〜中指のしびれ、朝方に症状が強くなりやすい
• 手を振ったり指を動かすと一時的に楽になることも
• 進行すると筋力低下が起こるため、場合によっては手術が必要

糖尿病性末梢神経障害

• 糖尿病によって神経細胞が障害されることで生じるしびれ
• 足先から徐々に広がることが多い
• 「感覚が鈍い」「ピリピリ痛む」など症状はさまざま
• 血糖コントロールが不十分だと悪化しやすい
  → 放置すると進行するため、早めの治療と管理が重要

胸郭出口症候群

• 鎖骨と肋骨の間が狭くなり、神経や血管が圧迫される疾患
• なで肩の女性や若年層に多い
• 手や腕のしびれ、重だるさ、時に血行不良が起こる
  → 姿勢・動作の影響を受けやすく、早期の評価が大切

末梢神経のしびれは、神経が「どこで」圧迫されているか、炎症や代謝異常があるかなどによって原因が異なります。

放置すると進行する可能性があるため、早めの診断が安心につながります。

しびれで受診を考えるべきサイン

なぜ検査が必要なのか（検査の役割）

しびれは、首・腰のトラブル、神経の障害、血流の問題、内科疾患など、原因が複数あり症状だけでは見分けにくい のが特徴です。

そのため、まずは検査によって「どこで何が起きているのか」 を客観的に確認することが大切です。

検査で原因が明確になると、薬・リハビリ・ブロック注射・手術など、適切な治療を無駄なく選べるようになります。

検査で分かることの例

• 神経が“圧迫されている”のか、“炎症”なのか
• 原因が 脳・脊髄・末梢神経・血管・代謝 のどこにあるのか
• “危険なサイン（脳卒中など）”が隠れていないか
• 手術が必要か、保存療法で改善するか

当院で行える検査・診断

えびな脳神経クリニックでは問診の上、下記の中から必要な検査を行い、原因を特定し適切な治療をご提案いたします。

・・など

当院では、画像検査・血液検査・神経の働きをみる検査などを組み合わせ、しびれの原因を多角的に調べます。

原因が明らかになることで、最短で適切な治療につながります。

当院の特徴

診断後の治療方針について

しびれの原因が特定されたあとは、症状や生活背景に合わせて適切な治療をご提案します。

• 神経の圧迫が原因の場合（椎間板ヘルニアなど）
  → 内服治療・ブロック・リハビリを組み合わせ、必要に応じて手術可能な医療機関へ連携します。
• 脳が原因の場合（脳梗塞・脳腫瘍など）
  → 緊急度を判断し、適切な専門治療へすみやかに接続します。
• 末梢神経の障害が原因の場合
  → 内服治療、生活指導、リハビリを中心に症状改善を図ります。

当院では、症状の軽減だけでなく、「日常生活をどう取り戻すか」までを含めた治療計画を立て、ご本人とご家族を継続的にサポートします。

よくある質問

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