脳卒中
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この記事を書いた人
医療法人社団NALU
理事長 尾﨑 聡
日本脳神経外科学会 脳神経外科専門医
日本脳神経血管内治療学会 脳血管内治療専門医
日本脳卒中学会 脳卒中専門医
認知症サポート医
医学博士
脳卒中とは
脳卒中とは、脳の血管に異常が起きて血液の流れが妨げられたり、出血によって脳組織が損なわれる疾患です。
突然起こることが多く、発症後の対応がその後の回復や日常生活への影響を大きく左右します。
地域にお住まいの皆さまにとって、自分自身やご家族の「もしも」の時に備えるため、今回は脳神経外科医の視点から脳卒中のタイプ・症状・予防法をわかりやすく解説します。
脳梗塞（血管が詰まるタイプ）
脳梗塞は、脳内の血管が詰まって血液が流れなくなり、酸素や栄養が届かなくなった脳組織が壊れてしまう状態を指します。
日本国内でも最も頻度が高く、原因や詰まり方によって主に以下の3つに分類されます。
① アテローム血栓性脳梗塞
脳内の太い血管の動脈硬化が進行し、そこで血の塊（血栓）ができて詰まるタイプです。
高血圧・糖尿病・脂質異常症・喫煙などの生活習慣病が大きなリスク因子となります
症状はゆるやかに進行することもあれば、突然起こることもあります 。
② 心原性脳塞栓症
心臓（心房細動や心臓弁膜症など）でできた血栓が血流に乗って脳まで運ばれ、脳の太い血管を塞いでしまうタイプです。
突発的に発症し、症状の進行が早いのが特徴です。
広い範囲の脳細胞が損傷を受けやすいため、重症化しやすい傾向があります。
③ ラクナ梗塞
脳の細い血管（穿通枝）が詰まるタイプです。
主に高血圧が原因で血管の壁が厚くなり、血流が途絶えることで起こります。
④ その他
上記に分類されない稀な原因による脳梗塞が含まれます。
脳出血（出血するタイプ）
脳の血管が破れて血液が漏れ出し、脳内に出血を起こすタイプです。
あふれ出た血液が固まって血腫（けっしゅ）となり、周囲の正常な脳細胞を圧迫・損傷します。
最大の原因は高血圧です。
血管壁への負荷が続くことで血管がもろくなり、破裂します。
症状としては、「頭が割れるような激しい頭痛」「急な意識低下」「片側の手足麻痺・しびれ」「嘔吐」などが急激に現れることが多く、緊急の対応が必要です。
くも膜下出血
脳の表面を覆う「くも膜」の下に出血が起きるタイプで、典型的には脳動脈瘤（どうみゃくりゅう）の破裂によって起こります。
最大の特徴は、「今まで感じたことのない突然の激しい頭痛（雷鳴頭痛）」です。
その他、「嘔吐」「意識消失」「けいれん」などを伴うことがあります。
発症直後の対応が極めて重要であり、脳卒中の中でも非常に緊急性の高い疾病です。
その他の脳血管障害
脳卒中以外にも、以下のような脳血管に関連するリスクや疾患があります 。
- 無症候性脳梗塞（症状が出ないまま血管障害が起きている）
- 頚動脈狭窄症・頚動脈プラーク（将来の脳卒中リスク）
- 未破裂脳動脈瘤
当院の脳ドックでは、こうした「脳卒中になる前の段階」の状態を把握し、予防的に対処することが可能です。
▶︎ 脳ドックについて
こんな症状があったら危険信号
以下のような症状が出た場合、脳卒中の可能性があります。
「時間との勝負」ですので、迷わず119番通報または医療機関を受診してください。
- 突然、片側の手足・顔が動かない・しびれる
- 突然、言葉が出ない／ろれつが回らない
- 突然、視野が狭くなる・物が二つに見える・片目が見えなくなる
- 突然、激しい頭痛（特に「雷鳴頭痛」）
- 意識がぼんやりする・呼びかけに応じない
- 吐き気・嘔吐・ふらつき・歩けない
当院で行える検査・診断
えびな脳神経クリニックでは、症状や経過を丁寧に伺ったうえで、下記の中から必要な検査を組み合わせ、脳卒中の有無や緊急性を迅速に判断します。
MRI
CT
脳波
血液検査
心電図
超音波検査
・・など
脳梗塞・脳出血・くも膜下出血などの脳卒中が疑われる状態かどうか、また今すぐ治療や入院が必要かどうかを確認します。
検査の結果、「脳卒中ではなかった」「現時点では緊急性は高くない」と分かるだけでも、強い不安が和らぐ方は少なくありません。
しびれ・ろれつの回りにくさ・急な頭痛・めまいなど、少しでも「いつもと違う」と感じる症状がある場合は、“何もなかったと確認するための検査”としても、お気軽にご相談ください。
脳卒中の予防法
脳卒中は、発症後の治療だけでなく、発症させないための「予防」が非常に重要です。
以下の4大ポイントを意識しましょう 。
血圧コントロール
高血圧は脳卒中の最大のリスクです。
130／80ｍｍ未満を目標に管理しましょう。
（※個別の目標値は医師にご相談ください）
日頃の血圧測定を習慣化することが大切です。
生活習慣の改善
食事：塩分は控えめ（1日6g未満目安）にし、野菜・海藻・魚を積極的に摂りましょう。
運動：1日30分程度のウォーキングなど、無理のない有酸素運動を習慣にしましょう。
嗜好品：禁煙し、お酒は適量（ビール中瓶1本程度まで）に控えましょう。
動脈硬化のリスク管理
脂質異常症（高コレステロール）や糖尿病は動脈硬化を進行させます。
健康診断で異常を指摘された場合は放置せず医師に相談しましょう。
定期的な検査（脳ドック）
自覚症状がなくても、脳の血管や頚動脈の状態を定期的にチェックすることで、発症を未然に防ぐことができます。
▶︎ 脳ドックについて
当院の特徴
MRI・CTで「脳卒中かどうか」を即日確認
脳卒中の診断では、MRI・CTで脳梗塞・脳出血・くも膜下出血などの可能性を確認することが大切です。
症状に応じて必要な検査をご案内します。
しびれ・ろれつ・めまい等を総合的に評価
片側のしびれ・言葉のもつれ・ふらつき・急な頭痛など、脳卒中に似た症状は原因がさまざまです。
まずは診察で状況を整理し、必要な検査につなげます。
再発予防（生活習慣・薬など）まで相談
脳卒中は「その場を乗り切る」だけでなく、再発を防ぐことがとても大切です。
血圧・脂質・糖尿病の管理や、必要な内服・検査を一緒に整理します。
夜・土日も診療
平日21時／土曜18時／日曜13時まで。
※初診は診療終了の1時間前まで
海老名駅徒歩1分
駅直結のViNA GARDENS PERCH 6階。
体調に不安がある時期でも、移動の負担を減らして通院できます。
地域の基幹病院と連携
脳卒中が強く疑われる場合や、入院・手術が必要なケースでは、地域の基幹病院と連携し適切にご紹介します。
「脳卒中かも」と不安なときは、様子を見ずにご相談ください。
早めに確認できるだけでも、次の選択肢が増えます。
脳卒中に関するよくある質問
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