アクイプタ(アトゲパント)とは|片頭痛の予防薬
この記事を書いた人

えびな脳神経クリニック
院長 岩田智則
日本脳卒中学会(評議員)
日本血管内治療学会(評議員)
日本脳循環代謝学会(評議員)
米国心臓協会国際フェロー(Fellow of AHA・脳卒中部門)
日本神経学会認定 神経内科専門医/指導医
日本内科学会認定 総合内科専門医/指導医
日本脳卒中学会認定 脳卒中専門医指導医
日本頭痛学会認定 頭痛専門医
日本認知症学会認定 認知症専門医指導医
厚生労働省認定外国人医師臨床修練指導医
アクイプタ(アトゲパント)は、片頭痛の発作が起こりにくくなるように、毎日1回飲む「予防のお薬」です。
2026年2月19日に国の承認を受け、同年4月17日に発売されました。これまで注射でしか行えなかったCGRPを標的とする予防治療を、毎日1錠の飲み薬で行えるようになったお薬です。
ただし、すでに始まってしまった頭痛を鎮める薬ではありません。「毎日飲む予防の薬」と「痛くなったときに飲む薬」は、役割が異なります。
本記事では、アクイプタの働きや効果、飲み方、費用、副作用について、「頭痛の診療ガイドライン2021」と電子添文をもとにわかりやすく解説します。
目次
アクイプタ(アトゲパント)とは?
アクイプタは、片頭痛の発作を予防するために毎日1回飲むお薬です。
片頭痛の痛みに深く関わる「CGRP」という体内の物質の働きをブロックするタイプの薬で、専門的には「経口CGRP受容体拮抗薬(けいこう シージーアールピー じゅようたい きっこうやく)」と呼ばれます。むずかしい名前ですが、「痛みのスイッチが入りにくくする飲み薬」とイメージしていただければ十分です。
片頭痛の予防治療では、2021年以降、CGRPを標的とした注射薬(エムガルティ・アジョビ・アイモビーグ)が使われてきました。アクイプタは、同じ仕組みの予防治療を「毎日1錠の飲み薬」で行えるようにした薬です。
海外では60か国以上で片頭痛の予防治療薬として承認されており、欧州ではAQUIPTA、米国・カナダなどではQULIPTAの製品名で使用されています。
えびな脳神経クリニックでは、頭痛専門医の診察のうえでアクイプタを処方しています。
| 販売名 | アクイプタ錠10mg/30mg/60mg |
| 一般名 | アトゲパント水和物 |
| 種類 | 飲み薬(経口CGRP受容体拮抗薬) |
| 使える目的 | 片頭痛発作の発症抑制(=発作の予防) |
| 飲み方 | 大人は1日1回、60mgを1錠 |
| 承認日 | 2026年2月19日 |
| 発売日 | 2026年4月17日 |
| 製造販売元 | アッヴィ合同会社 |
そもそも片頭痛とは、どんな頭痛?
片頭痛は、ズキズキと脈打つような痛みが特徴の病気です。仕事や家事、勉強がはかどらないなど、日常生活に支障が出ることも少なくありません。次のような特徴があります。
眠気・空腹感・首のこりなどを
感じることがあるこれを「予兆」と呼びます
ギザギザした光が
視界に現れることがあるこれを「前兆」と呼びます
月経周期、天気の変化、におい、
光、音、お酒などがきっかけになる
脈打つような痛みがある両側のこともあります
体を動かすと痛みが強くなる
痛みが4〜72時間続く長いと丸3日続くことがあります
出典:一般社団法人 日本頭痛学会「頭痛について知る/片頭痛の治療」
片頭痛の治療には「2種類」あります
片頭痛の治療は、大きく「急性期治療」と「予防療法」の2つに分かれます。ここを取り違えると治療がうまくいかないため、最初に押さえておきたいポイントです。
① 急性期治療
頭痛が起きてしまったときに、
その痛みを鎮めるための治療
- 鎮痛薬(痛み止め)、トリプタン製剤、ナルティークなどを、痛くなったときにその都度飲みます
- 飲むのは発作が起きたときだけです
② 予防療法
頭痛が起きていないときも続けて、
発作の回数そのものを減らすための治療
- 発作の回数が減ることが一番の目的です
- それだけでなく、発作が起きてしまったときも症状が軽く済み、急性期治療の薬が効きやすくなる効果も見込まれます
- アクイプタ、CGRP関連の注射薬(エムガルティなど)、ナルティークなどを、症状がなくても続けて使います
- アクイプタは、この「予防療法」に使うお薬です
ナルティーク(リメゲパント)は、①と②のどちらにも使える、日本で唯一の飲み薬です。一方アクイプタは、②の予防だけに使う薬です。
「それなら両方に使えるナルティークの方がよいのでは」と思われるかもしれません。ただ、予防に使うという目的にしぼって比べると、アクイプタには別の利点があります。飲み方がシンプルで、食事の時間を気にせず飲めて、体の状態に合わせて量を調整できる点です。
くわしくは、後ろの「ほかの予防治療との違い」でご説明します。
予防療法を始めても、急性期治療の薬が不要になるわけではありません。「毎日飲む予防の薬」と「痛くなったときに飲む薬」は、役割が違う両輪だとお考えください。
参考:日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会監修「頭痛の診療ガイドライン2021」(医学書院)p.134-140
アクイプタはどのように作用する薬ですか?
片頭痛の発作が起こるとき、脳の「三叉神経(さんさしんけい)」という神経のまわりで、CGRP(シージーアールピー)という物質が増えることがわかっています。
このCGRPには、①血管を広げる、②炎症を強める、③痛みの信号を伝わりやすくする、という3つの働きがあります。片頭痛のあの「ズキンズキン」は、CGRPが増えることで起こっていると考えられています。
アクイプタは、このCGRPが「受け皿(受容体)」にくっつくのを邪魔する薬です。鍵穴にフタをして鍵が入らないようにするイメージで、CGRPが増えても痛みのスイッチが入りにくくなります。
同じ仕組みの薬にはこれまで注射しかありませんでしたが、アクイプタは薬の粒子が小さいため、飲み薬として効かせることができるのが特徴です。
発作が起きたときに使う「トリプタン」という薬は、広がった血管をギュッと縮めることで痛みを抑えます。そのため、心筋梗塞や脳梗塞をしたことがある方は使えません。
一方アクイプタは、血管を縮める働きが中心ではないため、心臓や血管の病気があることを理由に「使ってはいけない」とはされていません。ただし、持病やほかのお薬によって注意が必要な場合はありますので、診察時に必ずお伝えください。
【重要】発作が起きたときに飲む薬ではありません
アクイプタが認められているのは「片頭痛発作の発症抑制」=発作が起きないように予防することだけです。すでに始まってしまった頭痛を鎮める効果はありません。
アクイプタを飲んでいる間に片頭痛の発作が起きたときは、医師からお渡しした「発作が起きたときに飲む薬」(トリプタンなど)をその都度お使いください。
「毎日飲む予防の薬」と「痛くなったときに飲む薬」の2本立てになる、とお考えください。どの薬をどのタイミングで使うかは、アクイプタを始める前に必ずご説明します。
※ 発作が起きたときの治療にも使えるようにするための申請は2025年12月に行われていますが、2026年10月時点ではまだ認められていません。
どのくらい発作が減るのか(国内試験の結果)
日本人を含む臨床試験(発売前に行われる、効果を確かめるための試験)で、月あたりの片頭痛の日数が減ることが確認されています。
プラセボ=有効成分の入っていない「にせ薬」のことです。見た目や味は本物とまったく同じで、飲んだ本人にも医師にも、どちらを飲んでいるかわからないようにして試験を行います。
なぜこんなことをするかというと、人は「薬を飲んだ」という安心感だけでも症状が良くなることがあるからです。本当に薬の力で良くなったのかを見分けるために、にせ薬を飲んだグループと比べるのです。
つまり下の表は、「にせ薬でも減った分」を差し引いても、アクイプタにはこれだけ効果があった、という見方をします。
月に数回、発作がある方(反復性片頭痛)の結果
日本人523人が参加した試験(RELEASE試験)です。参加された方の片頭痛は、もともと月に7日ほどありました。この方たちに、アクイプタまたはにせ薬を3か月間(12週間)飲んでいただき、比べています。
| にせ薬(プラセボ) 133人 | アクイプタ60mg 131人 | |
|---|---|---|
| 飲み始める前の 月の片頭痛日数 | 7.20日 | 7.07日 |
| 3か月後に 減った日数 | 1.24日 減った | 3.34日 減った |
| にせ薬より どれだけ多く減ったか | — | 2.10日ぶん多く減少 |
ほぼ毎日のように頭痛がある方(慢性片頭痛)の結果
日本人157人を含む773人が参加した国際的な試験(PROGRESS試験)です。参加された方の片頭痛は、もともと月に19日ほどありました。
| にせ薬(プラセボ) 246人 | アクイプタ60mg 256人 | |
|---|---|---|
| 飲み始める前の 月の片頭痛日数 | 18.95日 | 19.16日 |
| 3か月後に 減った日数 | 5.05日 減った | 6.88日 減った |
| にせ薬より どれだけ多く減ったか | — | 1.82日ぶん多く減少 |
また、日本人186人に1年間(52週間)続けて飲んでいただいた試験でも、効果が続くこと、安全性に大きな問題がないことが確認されています。
※ 数値はいずれも、国に提出された公式の説明書(電子添文)の「臨床成績」に基づいています。
※ 効果には個人差があり、すべての方で同じ結果が得られるとは限りません。
ほかの予防治療との違い
片頭痛の予防に使える薬は、いまは選択肢がいくつもあります。それぞれ性格が違うため、まずは全体像をご覧ください。
| アクイプタ | ナルティーク | CGRP関連の注射薬 | |
|---|---|---|---|
| 剤形 | 錠剤 (水で飲む) | 口の中で溶ける錠剤 (水なしで飲む) | 皮下注射 |
| 使う頻度 | 1日1回(毎日) | 1日おき (予防の場合) | 月1回など |
| 発作の予防 | ○ | ○ | ○ |
| 発作時の治療 | × | ○ | × |
| 通院 | 処方のタイミング | 処方のタイミング | 注射のたびに来院 |
アクイプタとナルティークは、何が違うのですか?
どちらもCGRPの働きをブロックする飲み薬で、仕組みはよく似ています。大きな違いは「ナルティークは発作時にも使える」「アクイプタは予防に専念した薬」という点です。
そのうえで、予防に使うという目的にしぼって比べると、次のような違いがあります。
| 予防に使う場合 | アクイプタ | ナルティーク |
|---|---|---|
| 飲むペース | 毎日1回 (同じ時間に習慣化しやすい) | 1日おき (飲む日を覚えておく必要) |
| 飲み方 | 普通の錠剤。 水で飲むだけ | 口の中で溶かす錠剤。 水なしで飲むことが推奨 |
| 食事の影響 | ほとんど受けない。 食前・食後どちらでもよい | 食後は吸収が3割ほど下がる |
| 薬の量の調整 | 10mg・30mg・60mgの 3種類から選べる | 75mgの1種類のみ |
| 腎臓の働きが 低下している方 | 10mgに減らして使える | 腎臓の働きが著しく低下している方は 使用を避けることが望ましい |
| 一部の薬との 飲み合わせ | 量を減らせばいっしょに使える | いっしょに使うことを 避けたほうがよい薬がある |
| 処方日数の制限 | 2027年4月末まで14日分 | 2026年11月末まで14日分 (先に制限が外れます) |
【アクイプタが向いていることが多い方】
- 発作の回数が多く、予防をしっかり行いたい方
- 1日おきより、毎日決まった時間のほうが忘れにくい方
- 食事の時間が不規則で、いつ飲んでもよい薬のほうが続けやすい方
- 腎臓の働きが低下している方や、ほかに飲んでいる薬が多い方(量を調整して続けられます)
- 発作時の薬は、すでに合うものが決まっている方
【ナルティークが向いていることが多い方】
- 1剤で発作時と予防の両方をまかないたい方
- 毎日飲むより、1日おきのほうが負担が少ないと感じる方
- 発作時の薬がまだ決まっておらず、これから探す方
- 水なしで飲めるほうが都合がよい方(外出先など)
なお、アクイプタは月に数回発作がある方(反復性片頭痛)と、ほぼ毎日のように頭痛がある方(慢性片頭痛)の両方を対象に、予防効果を確かめる試験が行われています。さらに、日本人を対象に1年間続けて飲んだときのデータもあります。長く続ける治療なので、この点を重視して選ぶこともあります。
どれが優れている、という話ではありません。発作の頻度、生活スタイル、通院のしやすさ、ほかに飲んでいるお薬、これまでの治療経過を踏まえて、医師と相談しながら選びます。合わなければ変更もできますので、まずは始めてみて様子をみる、という進め方も可能です。
アクイプタはどんな方に検討されますか?
アクイプタは、誰にでも出せる薬ではありません。診察のうえで、次の2つを確認してから使用を検討します。
① 片頭痛の発作が月に複数回以上ある、または頭痛の日が月15日以上あり、それが3か月を超えて続いている(慢性片頭痛)と、診察で確認できていること
② 睡眠や食事などの生活面の見直しをして、さらに発作時の薬もきちんと使っても、それでも仕事や家事に支障が出ていること
※「前兆」とは、頭痛が始まる前に目の前がチカチカする、視野が欠けるといった症状のことです。前兆があってもなくても対象になります。
まだ片頭痛と診断されたことがない方や、いつもと違う頭痛が出ている方は、まず「危険な頭痛」が隠れていないかを確かめることが先になります。くも膜下出血や脳腫瘍など、命に関わる病気が原因のことがあるためです。
当院では必要に応じて当日中にMRI・CT検査を行い、脳に異常がないかを確認したうえで診断します。
飲み方と治療の考え方(用法・用量)
基本の飲み方
通常、大人は60mgを1日1回、1錠飲みます。食事の影響をほとんど受けないため、食前でも食後でも構いません。1日のうちいつ飲んでも大丈夫ですが、飲み忘れを防ぐため「毎朝」「夕食後」など、ご自身が習慣にしやすい時間を決めておくとよいでしょう。
アクイプタは、頭痛があってもなくても、毎日飲み続けるお薬です。「今日は調子がいいから飲まなくていい」という薬ではありません。
飲み忘れが続くと、体の中の薬の量が下がって効果が十分に出ず、発作が起こりやすくなります。カレンダーやお薬カレンダー、スマホのアラームなどを活用して、決まったスケジュールで続けましょう。
飲み忘れたとき
- 次に飲む時間まで12時間以上あるとき:気づいた時点で、忘れた分を飲んでください。
- 次に飲む時間まで12時間を切っているとき:忘れた分は飲まず、次の分から通常どおり飲んでください。
- 2回分をまとめて飲まないでください。
量を調整する場合
次に当てはまる方は、医師の判断で用量を減らします。
| 該当する状況 | 用量 |
|---|---|
| 腎臓の働きがかなり低下している方 透析中の方を含みます | 10mg 1日1回 |
| 特定の抗真菌薬・抗菌薬を飲んでいる方 イトラコナゾール、クラリスロマイシンなど。アクイプタの分解が遅くなり、効きすぎるためです | 10mg 1日1回 |
| 免疫を抑える薬を飲んでいる方 シクロスポリンなど | 30mg 1日1回 |
処方日数の制限
アクイプタは新医薬品のため、厚生労働省の規定により2027年4月末日までは1回の処方で14日分が上限です。それまでの間は、おおむね2週間ごとの受診が必要になります。
2027年5月以降は、この制限がなくなる予定です。
アクイプタの費用について(保険診療)
アクイプタは健康保険が使えるお薬です。保険証に書かれている自己負担の割合(1割・2割・3割)に応じて、窓口でのお支払い額が決まります。
下の表の「薬価」は、国が決めているお薬の値段です。このうち、ご自身の負担割合ぶんだけをお支払いいただきます。
薬価と自己負担額の目安(1錠あたり)
| 規格 | 薬価 | 3割負担 | 2割負担 | 1割負担 |
|---|---|---|---|---|
| アクイプタ錠60mg | 1,461.60円 | 約440円 | 約290円 | 約150円 |
| アクイプタ錠30mg | 831.30円 | 約250円 | 約170円 | 約80円 |
| アクイプタ錠10mg | 339.90円 | 約100円 | 約70円 | 約30円 |
1か月あたりの費用のイメージ
60mgを毎日1錠服用した場合の目安です(薬剤費のみ)。
| 自己負担割合 | 14日分 | 30日分 |
|---|---|---|
| 3割負担 | 約6,100円 | 約13,200円 |
| 2割負担 | 約4,100円 | 約8,800円 |
| 1割負担 | 約2,000円 | 約4,400円 |
※ 上記は薬剤費のみの目安です。別途、診察料・検査料・調剤料などがかかります。
※ 2027年4月末までは1回14日分までの処方制限があるため、実際には14日分ずつの処方となります。
※ 費用の目安は、薬価基準および電子添文の用法・用量をもとに算出しています。
予防治療の費用は、CGRP関連の注射薬(エムガルティ・アジョビ・アイモビーグ)と同程度になることが多いです。飲み薬か注射か、通院頻度や調整のしやすさに違いがあるため、症状や生活スタイルに合わせて選択することが大切です。
効果の判定と、いつまで続けるか
アクイプタは、飲み始めてすぐに効果が出る薬ではありません。発作が減ってきたかどうかは、飲み始めてから約3か月を目安に判断します。
- 3か月の時点で改善が見られない場合は、中止を検討し、ほかの治療法を考えます。「効かなかった=失敗」ではなく、治療方針を見直すための大切な判断材料です。
- 改善が得られた場合も、漫然と続ける薬ではありません。定期的に継続の必要性を見直し、発作が消失・軽減して日常生活に支障がなくなった場合は、中止を検討します。
効果を正しく判定するために、頭痛が起きた日を記録しておくこと(頭痛ダイアリー)をおすすめしています。
使用できない方・注意が必要な方
使用できない方(禁忌)
- アクイプタの成分に対して過敏症の既往歴がある方
特に注意が必要な方
| 肝臓の働きが 大きく低下している方 | お体に薬がたまりやすく、副作用が強く出るおそれがあるため、使用しないことが望ましいとされています。 |
| 腎臓の働きが 大きく低下している方 | 量を減らして(10mgを1日1回)使用します。 |
| 妊娠中・妊娠の 可能性がある方 | お母さんにとっての利点が、赤ちゃんへの心配を上回ると判断できる場合にかぎって使用します。妊娠のご予定がある方は、事前に必ずご相談ください。 |
| 授乳中の方 | 母乳に移る量はごくわずか(お母さんの血液中の濃度の約8%程度)と報告されていますが、授乳を続けるかどうかは個別にご相談のうえ決めます。 |
| お子さま | 小児を対象とした臨床試験は行われていません。 |
副作用について
まれに、体が薬に過剰に反応してしまうこと(過敏症反応)があります。飲んだ直後だけでなく、数日たってから出ることもあります。
次のような症状が出たら、服用を中止してすぐにご連絡ください
そのほか気になる症状がある場合も、医師または薬剤師にご相談ください。
| 頻度 | そのほかの副作用 |
|---|---|
| 100人に1人以上 | 吐き気、便秘、食欲の低下、眠気、体重が減る、血液検査で肝臓の数値(ALT・AST)が上がる |
| 1,000人に1〜10人 | 疲れやすさ、皮膚のかゆみ |
日本での試験では、6〜7人に1人(15.2%)に何らかの副作用がみられました。最も多かったのは便秘(約10人に1人)です。1年間続けて飲んだ試験でも同じような傾向で、新たな心配は報告されていません。
便秘が気になる場合は、水分や食物繊維を意識して摂っていただき、それでも続くようであれば診察時にお伝えください。
飲み合わせについて
アクイプタは、肝臓にある「CYP3A(シップ・スリーエー)」という薬を分解する酵素によって処理されます。この酵素の働きを邪魔する薬と一緒に飲むと、アクイプタが体内に残りすぎて副作用が出やすくなるため、量の調整が必要になります。
- 水虫やカンジダの薬、一部の抗生物質(イトラコナゾール、クラリスロマイシンなど)→ アクイプタを10mgに減らします
- 免疫を抑える薬(シクロスポリンなど)→ アクイプタを30mgに減らします
一方で、発作時に使うトリプタン(スマトリプタン)、解熱鎮痛薬(アセトアミノフェン、ナプロキセン)、ピル(経口避妊薬)、胃薬(ファモチジン、エソメプラゾール)との組み合わせでは、問題となる影響は確認されていません。ふだんお使いのものがあっても、多くの場合そのまま併用できます。
他院で処方されているお薬、市販薬、サプリメント、健康食品がある場合は、お薬手帳をお持ちのうえ、すべてお知らせください。
当院での診察の流れ
症状や生活への影響を丁寧に確認し、この薬が合うかどうかを医師が判断します。
問診
頭痛の起こり方、頻度、持続時間、日常生活への影響、これまでの治療歴などについて詳しくお伺いします。
※片頭痛かどうかを見極めるため、症状の経過を丁寧に確認します。


必要に応じてCT・MRI検査
くも膜下出血や脳腫瘍など、命に関わる頭痛が隠れていないかを確認します。MRI 2台とCT 1台を備えており、原則として受診当日に検査と結果説明まで行います。


片頭痛の診断
問診内容や検査結果をもとに、国際頭痛分類の診断基準に沿って、片頭痛であるかどうか、反復性か慢性かを診断します。


治療選択肢のご説明
発作時の治療と予防治療の両面から、発作の頻度や生活スタイルに応じた選択肢をご説明します。内服・注射それぞれの特徴、費用、通院頻度もあわせてお伝えします。
※現在使用中のお薬との兼ね合いも確認します。


アクイプタの処方
診察の結果、アクイプタが適していると判断した場合に処方を行います。あわせて、発作時に使う急性期治療薬についてもご説明します。
※すべての方に処方されるお薬ではありません。症状や体調を踏まえ、医師が総合的に判断します。


経過の確認と効果判定
おおむね2週間ごとに受診いただき、副作用の有無と発作の変化を確認します。約3か月の時点で効果を判定し、継続・変更・中止を判断します。


まとめ
- アクイプタは、片頭痛の発作を予防するために毎日1回飲む薬。2026年4月に発売された新しい薬です
- すでに起きた頭痛を止める薬ではなく、発作時は別の急性期治療薬を使います
- 試験では、にせ薬(プラセボ)と比べて、月の片頭痛の日数が約2日ぶん多く減ることが確認されています
- 効果判定は約3か月。改善がなければ中止し、ほかの方法を検討します
- 2027年4月末までは1回14日分までの処方制限があり、2週間ごとの受診が必要です
- 3割負担の方でひと月あたり約13,200円(お薬代のみ・30日ぶんで計算)
- 片頭痛で生活に支障がある方は、早めのご相談が大切です
当院の片頭痛診療
えびな脳神経クリニックでは、頭痛の症状や頻度、痛み方などを詳しく確認し、 片頭痛をはじめとする頭痛の診療を行っています。 必要に応じてMRI・CTなどの画像検査を行い、二次性頭痛の可能性も確認します。
頭痛専門医による診療
日本頭痛学会認定の頭痛専門医が、痛み方や頻度、随伴症状を確認し、片頭痛のタイプを見極めます。
予防治療の選択肢が豊富
アクイプタ・ナルティークなどの飲み薬から、エムガルティなどの注射薬まで、生活に合う方法をご提案します。
新しい治療薬にも対応
発売されたばかりの薬についても、適応を慎重に判断したうえで処方しています。
MRI・CTで二次性頭痛を確認
MRI 2台とCT 1台を備え、原則として受診当日に検査と結果説明まで行います。
平日夜間・土日診療で通いやすい
平日21時/土曜18時/日曜13時まで診療。
※初診は診療終了の1時間前まで
海老名駅直結徒歩1分
2週間ごとの通院が必要な時期も、お買い物やお仕事帰りに立ち寄っていただけます。
「毎月のように頭痛で予定を諦めている」
「市販薬を飲む回数が増えてきた」という方は、一度ご相談ください。
院長からひと言



えびな脳神経クリニック
院長 岩田智則
よくある質問
Q:アクイプタを飲めば、片頭痛は治りますか?
Q:効果はどれくらいで実感できますか?
Q:アクイプタを飲んでいる間に発作が起きたら、どうすればよいですか?
Q:アクイプタとナルティーク、どちらを選べばよいですか?
Q:注射の予防薬(エムガルティなど)から切り替えられますか?
Q:トリプタンが使えない体質ですが、アクイプタは使えますか?
Q:どのくらいの期間、飲み続けるのですか?
Q:食事と一緒に飲んでも大丈夫ですか?
Q:お酒や運動は控えたほうがいいですか?
Q:ほかの病院の薬や市販薬を飲むときは、どうすればよいですか?
Q:まだ片頭痛と診断されたことがありませんが、相談できますか?
Q:妊娠を希望していますが、飲めますか?
参考文献
- アクイプタ錠 電子化された添付文書(2026年2月作成・第1版)/アッヴィ合同会社 KEGG MEDICUS
- アッヴィ合同会社 プレスリリース「片頭痛発作の発症抑制を適応とする経口薬『アクイプタ®(アトゲパント)』を日本で発売」(2026年4月17日)
- アクイプタ®.jp(アッヴィ合同会社 患者さん向け製品情報サイト)
- 日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会 監修 『頭痛の診療ガイドライン2021』
- 一般社団法人 日本頭痛学会 「頭痛について知る/片頭痛の治療」
※ 当院では、アッヴィ発行の患者さん向け冊子「アクイプタ®を服用される片頭痛患者さんへ」もお渡ししています。
関連ページ









片頭痛の予防治療は、ここ数年で大きく選択肢が広がりました。アクイプタは、これまで注射で行っていたCGRPを標的とした予防治療を、毎日1錠の飲み薬でできるようにした薬です。通院のたびに注射を受ける必要がないため、お仕事や子育てで時間が取りにくい方にも取り入れやすい治療だと感じています。
ただし、発作が起きてから飲む薬ではありません。予防の薬と、発作時の薬。この2つを分けて理解していただくことが、治療をうまく進めるうえでとても大切です。
「毎月のように頭痛で予定を諦めている」「市販薬を飲む回数が増えてきた」という方は、我慢せず、まずは頭痛の診療に慣れた脳神経外科・脳神経内科でご相談ください。