片頭痛
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この記事を書いた人

えびな脳神経クリニック
院長 岩田智則
日本脳卒中学会(評議員)
日本血管内治療学会(評議員)
日本脳循環代謝学会(評議員)
米国心臓協会国際フェロー(Fellow of AHA・脳卒中部門)
日本神経学会専門医/指導医
日本内科学会総合内科専門医/指導医
日本脳卒中学会専門医指導医
日本認知症学会専門医指導医
厚生労働省認定外国人医師臨床修練指導医
片頭痛は、日本人の約8人に1人が悩まされているといわれる慢性的な頭痛です。
本記事では、 「頭痛診療ガイドライン2021」 (全頁一括掲載、しおり機能付き). 監修 日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会 をもとに、原因から治療法までを専門医がわかりやすく解説します。
頭痛のタイプ
頭痛は、大きく「一次性頭痛」と「二次性頭痛」に分類されます。
一次性頭痛は、検査で原因となる病気(器質疾患)が見つからないタイプの頭痛を指し、二次性頭痛は、何らかの病気や異常が原因となって生じる頭痛を指します。


一次性頭痛
脳や血管、神経の働きによって起こる頭痛です。
代表的なものは以下の3つです。
● 片頭痛:ズキズキした拍動性の痛み、吐き気や光過敏を伴う
● 緊張型頭痛:頭全体を締めつけられるような痛み、肩や首のこりを伴う
● 群発頭痛:目の奥をえぐるような激しい痛みが一定期間に集中して起こる
二次性頭痛
脳出血や脳腫瘍、副鼻腔炎など、明らかな疾患が原因で起こる頭痛です。
突然の強い痛みや意識障害を伴う場合は、緊急受診が必要です。
片頭痛について
ここからは、一次性頭痛の中でも多くの人が悩む「片頭痛」について詳しく解説します。
片頭痛でよくみられる症状
片頭痛は、ズキズキと脈打つような強い頭の痛みを特徴とする神経疾患です。
多くの場合、頭の片側(こめかみや目の奥)に痛みが現れ、数時間から数日にわたって続くことがあります。


- 吐き気・嘔吐
- 光や音がつらい(光過敏・音過敏)
- 体を動かすと痛みが強まる
- 強い倦怠感・集中力の低下
こうした症状が繰り返し起こるのが片頭痛の特徴です。
放置すると生活の質(QOL)が大きく低下します。
片頭痛の段階とサイン
片頭痛は発作が起きる前から、いくつかの段階を経て進行することがあります。


【引用元】
清水利彦.アクチュアル 「脳・神経疾患の臨床 識る 診る 治す 頭痛のすべて」(総編集:辻省次、専門編集:鈴木則宏),中山書店,2014,p.104
片頭痛の予兆(発作のサイン)
頭痛や前兆が起こるさらに手前の段階で、「予兆」と呼ばれる変化が起こることがあります。
- 眠気・だるさ
- 肩や首のこり
- チョコレートや甘いものが欲しくなる
- 気分の落ち込みやイライラ
- あくびが頻繁に出る
こうした変化を自分で感じ取ることができると、早めの対策や薬の服用タイミングを調整しやすくなります。
予兆期をうまく把握することは、治療効果の向上にもつながると国際頭痛学会のガイドラインでも示されています。
片頭痛の前兆(オーラ)
片頭痛の中には、予兆の後に「前兆(ぜんちょう)」を伴うタイプがあります。
片頭痛全体の約2割に見られる症状で、頭痛が始まる前に起こる一時的な神経症状です。
代表的な前兆の例は次の通りです。
- 視界がチカチカ光って見えにくい(閃輝暗点)
- 手足のしびれ・脱力
- 言葉が出にくい・ろれつが回らない
これらの症状は通常20〜60分程度で消え、その後に頭痛が始まります。
日本頭痛学会のガイドラインでも、「前兆のある片頭痛」は診断基準として明確に区別されています。
慢性片頭痛
片頭痛が月に15日以上、そのうち8日以上が典型的な片頭痛発作という状態が3か月以上続く場合、これは「慢性片頭痛」と診断されます。
慢性化すると、以下の問題が起こりやすくなります。
- 頭痛のない日が少ない
- 通常の鎮痛薬が効かなくなる
- 抗うつ・不安・睡眠障害などを合併することも
近年は、「薬の使いすぎ頭痛(薬物乱用頭痛)」も慢性化の要因として注目されています。
同じ薬を頻繁に使うことで、かえって頭痛を誘発してしまうことがあるため注意が必要です。
片頭痛の治療法
片頭痛の治療は、「発作を和らげる治療」と「発作を予防する治療」の2本立てで行われます。
1)発作時の治療(急性期治療)


痛みが出たときに行う対症療法です。
一般的には以下の薬が使われます。
- トリプタン系薬(片頭痛特有の薬)
- NSAIDs(ロキソニンなどの鎮痛薬)
- ゲパント(CGRP受容体拮抗薬)
これらは、「痛みが出たらすぐに服用」することが重要です。
早い段階での服用ほど効果が高く、症状を軽減できます。
2)発作を防ぐ治療(予防療法)
発作の回数や強さを減らすために行うのが予防治療です。
<従来の予防薬>
- β遮断薬(プロプラノロールなど)
- 抗てんかん薬(バルプロ酸)
- カルシウム拮抗薬(ロメリジン)
<近年注目されている片頭痛の新しい治療薬(CGRP関連薬)>
近年の研究により、CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)が、片頭痛の痛みの発生や持続に深く関わる神経伝達物質であることが分かってきました。
このCGRPの働きを抑えることで、発作の頻度を減らす、症状を軽くするといった効果が期待できる治療薬が登場しています。
現在、CGRP関連薬には、投与方法や使い方の異なる複数の選択肢があります。
■ CGRP関連抗体薬(注射薬)
CGRP、またはその受容体に作用する抗体薬で、主に片頭痛の予防を目的として使用されます。
月1回または数か月に1回の注射で効果が持続する点が特徴です。
- ガルカネズマブ(エムガルティ)
- フレマネズマブ(アジョビ)
- エレヌマブ(アイモビーグ)
▶︎ 片頭痛の注射薬について
■ ゲパント系薬剤(内服薬)
CGRPの働きを抑える内服薬で、片頭痛の急性期治療と発症抑制(予防)の両方に用いられる薬があります。
- リメゲパント(ナルティーク)
注射に抵抗がある方や、内服での治療を希望される方にとって、新たな治療選択肢のひとつとなっています。
まとめ
片頭痛は「ただの頭痛」ではなく、脳の働きに関わる病気です。
ズキズキする痛みだけでなく、吐き気や光・音のつらさ、強いだるさなどにより、仕事や家事・育児など日常生活の質(QOL)を大きく下げてしまうことがあります。
片頭痛は、発作時の薬(急性期治療)を適切なタイミングで使うこと、そして必要に応じて発作を起こりにくくする予防療法を組み合わせることで、コントロールできる可能性が高い頭痛です。
特に、頭痛が増えてきた方や、市販薬を使う回数が増えている方は、薬の使いすぎによる頭痛(薬物乱用頭痛)を防ぐためにも、早めの受診がおすすめです。
「いつもの頭痛」と思っていても、症状のパターンが変わったり、強さが急に増したりする場合は注意が必要です。
つらい頭痛を我慢し続けず、あなたの生活に合った治療で“頭痛のない日”を増やしていきましょう。
当院の頭痛外来の特徴
当日MRI・CT検査で脳の状態を確認
くも膜下出血・脳出血・脳腫瘍など、重い脳の病気がないかをその日のうちに詳しく調べます。
夜・土日診療で通いやすい
平日21時/土曜18時/日曜13時まで診療。 ※初診は診療終了の1時間前まで
海老名駅直結で徒歩1分
ViNA GARDENS PERCH 6階。
雨の日や頭痛がつらい日でも、負担少なく来院いただけます。
「この頭痛、様子を見ていて大丈夫?」
不安な方は、一度ご相談ください
院長からひと言



えびな脳神経クリニック
院長 岩田智則
片頭痛に関するQ&A
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片頭痛は「ただの頭痛」と思われがちですが、 日常生活に大きな影響を及ぼすことも少なくありません。
当院では、痛みの強さだけでなく、 生活の中でどんな場面に困っているのかを大切に診療しています。
我慢せず、気になる症状があれば、 どうぞお気軽にご相談ください。