アルツハイマー型認知症とは?
- HOME
- アルツハイマー型認知症とは?
この記事を書いた人

えびな脳神経クリニック
院長 岩田智則
日本脳卒中学会(評議員)
日本血管内治療学会(評議員)
日本脳循環代謝学会(評議員)
米国心臓協会国際フェロー(Fellow of AHA・脳卒中部門)
日本神経学会専門医/指導医
日本内科学会総合内科専門医/指導医
日本脳卒中学会専門医指導医
日本認知症学会専門医指導医
厚生労働省認定外国人医師臨床修練指導医
もの忘れや判断力の低下が続くと、これって年齢のせい?それとも病気…?」と不安になる方も多いと思います。
アルツハイマー型認知症は認知症の中で最も多いタイプで、ゆっくり進行する一方、早い段階で気づけば生活の質(QOL)を大きく保てる病気 です。
最近の研究により、脳の変化を客観的に測る検査や、進行を遅らせる治療薬(レカネマブ・ドナネマブ)が登場し、以前より 「できること」が確実に増えました。
「年のせいだから」と決めつけず、まずは一度、脳の状態を確認してみませんか?
目次
アルツハイマー型認知症とは?
アルツハイマー型認知症は、脳の神経細胞が徐々に損傷し、記憶・判断力・理解力 といった認知機能がゆっくり低下していく病気です。
日本の認知症の中でも最も割合が高く、特に 短期記憶の低下(最近の出来事を思い出しにくい) が初期に見られます。
根本治療(完全に治す薬)はまだありませんが、進行を遅らせる治療や生活支援で、長く穏やかな生活を保つことが十分可能 です。
原因とリスク要因
アルツハイマー型認知症の主な原因は、アミロイドβやタウたんぱくといった異常なたんぱく質が蓄積することで神経細胞がダメージを受けると考えられています。
発症に関わる要因としては次のようなものが知られています。
- 加齢(最も大きな要因)
- 遺伝(家族歴)
- 高血圧・糖尿病など生活習慣病
- 動脈硬化
- 喫煙・運動不足
- 社会的交流の少なさ
- 心血管疾患
これらは予防活動や生活習慣改善にもつながるポイントです。
主な症状
アルツハイマー型認知症の症状は、病気の進行によって徐々に悪化します。
主な症状には以下のようなものがあります。
- 記憶障害
短期記憶の低下や、過去の出来事の思い出しにくさ - 言語障害
言葉の意味が理解できなくなったり、話すのが難しくなる - 判断力の低下
日常生活の判断が困難になる - 精神症状
うつ症状、不安、怒りやイライラ感 - 行動の変化
徘徊、無意味な動作、睡眠リズムの乱れ
段階別の症状(初期 → 中期 → 進行期)
■ 初期(気づきにくい段階)
- 最近の出来事を忘れる
- 同じことを何度も聞く
- 言葉がすぐに出ない
- 少しの変化で不安が強くなる
■ 中期
- 時間や場所の把握が難しくなる
- 買い物・家計管理・薬の管理が困難
- 感情が不安定になる
- 徘徊、睡眠リズムの乱れ
■ 進行期
- 食事・着替え・排泄などに全面的な介助が必要
- 強い不安、幻視・幻覚、興奮
- 寝たきりに近い状態へ
症状の進み方には個人差があり、早期に気づくことで生活の工夫や治療の選択肢が広がります。
診断方法
アルツハイマー型認知症の診断は、以下の方法で行われます。
- 病歴の聴取
- 認知機能テスト
- 精神状態の評価
- 画像検査(MRIやCTスキャン)
当院で行える検査・診断
えびな脳神経クリニックでは問診の上、下記の中から必要な検査を行い、原因を特定し適切な治療をご提案いたします。
MRI


CT


認知機能検査


血液検査


心電図


超音波検査


・・など
アルツハイマー型認知症は、気づかないうちにゆっくり進行していく病気です。
「最近もの忘れが増えた」「いつもと様子が違う」と感じた時に、早めに脳の状態を確認しておくことはとても大切です。
早期に気づければ、治療や生活の工夫で進行をゆるやかにし、ご本人とご家族の不安を大きく減らすことができます。
当院の特徴
MRI・CTと認知機能検査で脳の状態を総合チェック
MRI2台・CT完備。
画像検査に加えて認知機能検査も行い、脳の萎縮や小さな梗塞の有無まで丁寧に確認します。
アルツハイマー型認知症を含む認知症全般を専門的に診断
アルツハイマー型認知症・血管性認知症・レビー小体型認知症など、病型を見極めたうえで治療方針をご提案します。
認知症疾患医療センター(連携型)として長期的にサポート
地域の医療機関・介護事業所・行政と連携し、診断後の治療や介護サービス利用まで一緒に考えます。
新しい治療薬を含めた治療の選択肢をご説明
従来の飲み薬に加え、レカネマブ(レケンビ)・ドナネマブ(ケサンラ)など新しい治療薬についても、適応があればご説明します。
夜・土日も診療で、ご家族も同席しやすい
平日21時/土曜18時/日曜13時まで診療。
お仕事をされているご家族も、時間を合わせて受診しやすい体制です。
※初診は診療終了の1時間前まで
海老名駅直結で、通院の負担をできるだけ少なく
駅直結のViNA GARDENS PERCH 6階。
足腰に不安がある方やご高齢の方でも、
できるだけ負担の少ない通院が可能です。
「アルツハイマー病かも…」と不安を抱えたままより、
一度検査で“今の状態”を知っておくことが、安心への第一歩です。
対処法
アルツハイマー型認知症には現在、根本治療法はありませんが、症状の進行を遅らせるための治療が行われています。
薬物療法
脳内の神経伝達物質を調節することで、認知機能の低下を遅らせる効果が期待できる薬物がいくつかあります。
- コリンエステラーゼ阻害薬
アセチルコリンという神経伝達物質の分解を抑制し、認知機能を改善する効果があります。主に軽度から中等度のアルツハイマー型認知症に用いられます。代表的な薬剤にはドネペジル、リバスチグミン、ガランタミンがあります。 - NMDA受容体拮抗薬
メマンチンは、グルタミン酸という神経伝達物質の過剰な活動を抑制し、神経細胞の損傷を防ぐ効果があります。主に中等度から重度のアルツハイマー型認知症に用いられます。
新しい「疾患修飾薬(DMT)」
アルツハイマー型認知症の進行を少しでも遅らせることを目的とした新しいタイプの治療薬です。
従来の薬と違い、症状を和らげるだけでなく、病気の根本に関わる異常タンパク質(アミロイドβ)を減らす働きがあります。
以下の 2つの薬が現在承認されています。
● レカネマブ(レケンビ®)
もの忘れが軽い段階(MCI〜軽度のアルツハイマー病)の方が対象です。
海外の大きな研究では、“もの忘れの進行がゆっくりになる”ことが確認されています。(※効果のあらわれ方には個人差があります)
● ドナネマブ(ケサンラ®)
軽度認知障害(MCI)〜軽度のアルツハイマー病の段階での使用が想定されています。
こちらも臨床研究では、“進行を抑える効果が見られた” と報告されています。(※すべての方に同じ効果が出るわけではありません)
生活習慣の改善
アルツハイマー型認知症の進行を遅らせるために、以下の生活習慣の改善が推奨されています。
- 適度な運動
定期的な運動は、心血管疾患のリスクを減らし、認知機能を維持するのに役立ちます。 - バランスの良い食事
抗酸化作用のある食品や、オメガ-3脂肪酸を含む食品を摂取することで、脳の健康を維持することができます。 - 十分な睡眠
質の良い睡眠は、脳の働きを良くし、記憶力や認知機能に良い影響を与えます。 - 社会的なつながり
友人や家族との交流や、地域の活動に参加することで、精神的な健康を維持し、認知機能の低下を防ぐことができます。 - 脳トレーニング
パズルや数独、言葉遊びなど、脳を刺激する活動を続けることで、認知機能の低下を遅らせることができます。
アルツハイマー型認知症は、患者だけでなく、家族や介護者にも大きな負担を与える病気です。
よくある質問
一般的な頭痛は、疲れやストレス、頸部の緊張などが原因で起こることが多く、通常は軽度から中程度の痛みであり、持続時間も短い傾向があります。頭痛が頻繁に起こる場合は、緊張型頭痛と診断されることがあります。
一方、片頭痛は、神経系の異常によって引き起こされる神経性疾患であり、発作的に起こることが多いという点が一般的な頭痛と異なります。また、片頭痛は、通常、光や音に敏感になることや、悪化することがあることが特徴です。
片頭痛は、遺伝的な要因によって引き起こされることが多く、女性に多くみられます。
院長からひと言



えびな脳神経クリニック
院長 岩田智則
関連ページ









アルツハイマー型認知症は、決して「何もできなくなる病気」ではありません。
早い段階で気づき、適切に対応することで、これまでと変わらない日常を過ごしている方もたくさんいらっしゃいます。
最近のもの忘れが加齢によるものなのか、病気によるものなのか——。
その違いを知るだけでも、ご本人・ご家族の不安は大きく軽減します。
不安を抱えたまま一人で悩む必要はありません。
小さな違和感でも、どうか遠慮なくご相談ください。
当院では、医師の診察はもちろん、リハビリ・介護・生活支援まで含めた 多職種チームで長く寄り添う医療を大切にしています。
ご本人の「その人らしさ」を守りながら、日々の暮らしを支えてまいります。